医師として働き始められるのはいつなのか?医師を目指している学生の中には、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。日本の医学部は6年制ですが、医学部卒業後には医師国家試験に合格し、さらに臨床研修を修了する必要があります。この記事では、最短で医師になるために必要な年数に加え、医師になるまでのステップを詳しく解説しています。
医学部を卒業できる年齢
医学部を卒業できる年齢は何歳でしょうか。
最短で24歳
医学部を卒業するまでに必要な年数は、最短で6年間です。日本国内の医学部はすべて6年制であるためです。よって、現役で医学部に合格した場合、通常は18歳で入学し、順調に進級すれば24歳で卒業します。
最短で卒業できるのは約3割
できれば最短で卒業したいところですが、多くの医大生が想定通りに進められていないデータがあります。2020年度のデータによると、6年で卒業できた医学部生の割合は全体の84%です。18歳で入学したなかで、16%が何らかの理由で留年し、最短の6年で卒業できなかったことをあらわしています。
また、2015年度の文部科学省の緊急調査結果速報によると、現役で医学部に合格した学生と、1浪生の割合がそれぞれ約1/3という結果でした。これらのデータから、医学部へ現役合格し、最短期間の6年で卒業する学生は全体の約28.2%であり、最短での医学部卒業年齢である、24歳で卒業する学生は決して多くはないことがわかります。
最短卒業できない理由
医学部では留年の割合が高いです。その原因のひとつとして、進級条件の厳しさが挙げられます。各医学部は、医師国家試験に合格できるようにカリキュラムを組んでいます。単位を1つでも落とすと留年する可能性があり、単位取得のための成績基準も高く設定されています。
また、医学部入学後にモチベーションを維持できないことも留年が多い理由のひとつです。医学部合格そのものを目標としている学生は、留年しやすいといえるでしょう。
最短で医師になれる年齢
最短で医師になるためには、まず医学部を24歳で卒業する必要があることがわかりました。では、最短で医師になれるのは何歳でしょうか。
最短で26歳
最短で医師になれる年齢は26歳です。医学部は6年間の学びが必要ですが、卒業しただけでは医師として働けません。卒業後に医師国家試験に合格し、その後の臨床研修を修了する必要があります。
医師国家試験は毎年開催されており、卒業見込みがあれば受験できるので、もっとも早くて24歳で合格可能です。その後、2年間の臨床研修で、実際の医療現場での経験を積むことを求められ、ここで初めて医師としての実務ができます。このため、臨床研修を終えた26歳から正式に医師として働き始められるのです。
後期研修もある
医師としての基礎を身につけた後、多くの医師は専門医を目指して後期研修に進みます。後期研修は必須ではありませんが、特定の分野における専門的な知識や技術を深めるためには欠かせないステップです。この後期研修は、通常3年から5年程度かかります。
医師になるまでの流れを解説
医師になるための道のりは、多くのステップを踏む必要があり、その過程は非常に厳しいものです。ここでは、医師になるまでの具体的な流れについて詳しく解説します。専門医を目指す場合も含めると、4つのステップに分かれています。
医学部卒業
何よりも、まずは医学部を卒業することです。医師になるためには、まず医学部に入学し、6年間を経て卒業する必要があります。医学部のカリキュラムは、非常に多岐にわたっており、大量の学習が求められます。
とくに臨床実習は重要です。座学で得た知識を、実際の医療現場で活かなければならないため、他の学部と比較して臨床実習の比重が非常に高くなっています。さらに、各カリキュラムには試験が設けられており、すべての試験に合格しなければなりません。医学部を卒業するためには、多くの試練を乗り越える必要があるのです。
国家試験合格
次は、医師国家試験に合格することです。毎年2月に実施される国家試験の受験資格として、医学部を卒業しているか、卒業見込みであることが求められます。この試験の合格率は90%前後と比較的高めであり、しっかりと力をつけておく必要があります。
臨床研修
第3のステップは、臨床研修です。医師国家試験に合格した後、2年以上の臨床研修が義務付けられています。臨床研修では研修医として実際の医療現場で働き、さまざまな診療科を経験することで、実践的な臨床経験を積んでいきます。
後期研修
最後は、後期研修です。臨床研修を修了した後でも、医師として本格的に働き始められますが、専門医を目指す場合は後期研修が必要です。後期研修では専攻医として、特定の専門分野の診療科で深い臨床経験を積みます。研修期間は通常3年から5年であり、専門医資格を取得するために必要な経験と知識を身につける期間です。
まとめ
最短で医学部を卒業できるのは24歳で、最短で医師になれるのは26歳です。医師になるまでの道のりは非常に厳しいものです。6年間医学部で厳しい学びのあと、医師国家試験、2年間の臨床研修が続きます。さらに専門医を目指す場合は、後期研修を経る必要があります。以上のように、医師になるためには多くの努力と時間が必須です。医師への道は、決して平たんではありません。厳しさを十分に理解し、計画的に準備を進めるとよいでしょう。