子どもの塾選びは、多くの保護者にとって大きな悩みのひとつです。
集団授業、個別指導、映像授業など、学習スタイルの選択肢は豊富にありますが「うちの子に本当に合っているのか」「それぞれのメリットやデメリットは何か」といった疑問は、実際に体験してみなければなかなか判断できません。
そこで今回、NEXERと共同で、全国の子どもを持つ男女500名を対象に「塾や個別指導に関する困りごと」についてアンケートを実施しました!
調査手法:インターネットでのアンケート
調査期間:2025年9月8日 ~ 9月18日
調査対象者:子どもがいる全国の男女
有効回答:500サンプル
質問内容:
- 質問1:子どもを塾や予備校へ通わせたことがありますか?
- 質問2:子どもが受講したことがある授業形態を教えてください。
- 質問3:集団授業で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
- 質問4:集団授業で困ったことを具体的に教えてください。
- 質問5:個別指導で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
- 質問6:個別指導で困ったことを具体的に教えてください。
- 質問7:映像授業で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
- 質問8:映像授業で困ったことを具体的に教えてください。
- 質問9:今の塾や予備校に期待することや改善してほしいことがあれば教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
CONTENTS
質問1:子どもを塾や予備校へ通わせたことがありますか?
最初に、子どもを塾や予備校に通わせたことがあるかどうかを聞いてみました。

結果を見ると、6割以上の保護者が「通わせた経験がある」と答えており、そのなかでも「過去に通わせていた」が53.4%と、半数を超える割合となりました。多くの家庭にとって、塾は身近で一般的な学習手段であることが伺えます。
一方で「通わせたことはない」と回答した人も38.2%いました。近年では家庭学習やオンライン教材など学びの選択肢が増えており、必ずしも塾に通わせることが正解ではないと考える家庭も一定数存在しているようです。
質問2:子どもが受講したことがある授業形態を教えてください。
次に、子どもが受講したことがある授業形態について聞いてみました。

最も多かったのは「集団授業」で、78.0%と圧倒的な割合を占めており、多くの家庭がまずは集団で学ぶスタイルを選んでいるようです。
一方で「個別指導」も35.6%と3割を超えていました。子どもの個性や理解度に合わせた、より丁寧な指導を求める家庭が一定数あることが分かります。
「映像授業」に関しては2.3%と利用者が少なく、まだ学習方法としての主流にはなっていない様子が見られました。全体的に、対面での指導を重視する家庭が多い傾向が伺えます。
質問3:集団授業で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
次に、各授業形態で感じた困りごとについて聞いてみました。

まずは集団授業に関する結果です。最も多かった回答は「講師によって差がある」で、24.5%となりました。講師の質や指導方法によって、学習効果に違いが出ると感じている保護者が多いことが分かります。
この結果から、集団授業では一律のカリキュラムで学べる一方で、講師の力量が子どもの理解度や学習意欲に大きく影響するという課題が浮かび上がりました。
質問4:集団授業で困ったことを具体的に教えてください。
質問4では、集団授業で困ったことは何なのか、具体的に聞いてみました。
・授業の進度が合わない(40代・男性)
・周りに合わせないといけないから、自分の分からないところだけピンポイントで教えてもらうという事ができないのが、息子には向いてないと思いました。(50代・女性)
・大手予備校でしたが講師の質の差は大きかったです。(60代・男性)
・わかる子を中心に進めて、かみ砕いた説明や解説をしなかったことです。(60代・女性)
・塾の課題をこなすのに、遅くまで時間を取られていた。(60代・男性)
「授業の進度が合わない」「分からない部分を質問しにくい」といった個別のニーズに対応しづらい点が目立ちました。また「講師による質の差」や「理解の早い子中心の授業」といった指導のバラつきに不満を感じる声もありました。
こうした回答から、画一的な指導スタイルがすべての子どもに適しているわけではないことが浮き彫りになりました。
質問5:個別指導で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
続いて、個別指導に関する困りごとについて聞いてみました。

最も多かったのは「料金が高い」で、34.5%と3割以上の保護者が負担を感じていることが分かりました。そのほかにも「講師の質にばらつきがある」「講師との相性が合わない」といった声が挙がり、子どもに合った環境を整える難しさが見えてきます。
質問6では、実際にどのような点で困ったのか、具体的な意見を紹介します。
・塾の先生は大学生で、教え方にむらがある。人として、まだ未熟な人が多い。(40代・男性)
・料金が高くて家計を圧迫している。(40代・男性)
・先生の質が低い。(50代・女性)
・何をどのように指導しているのかわからない。(50代・男性)
・分からないことを遠慮して聞けなかったことです。(60代・女性)
個別指導での困りごとは「講師の質」に集中していることが分かります。大学生講師による指導のばらつきや、先生の力量不足に対する不満が目立ちました。
本来は強みであるはずの「一対一の指導」ですが、その質が安定しないことで期待どおりの成果につながらないケースもあるようです。
質問7:映像授業で困ったこととして、当てはまるものをすべて選んでください。
次に、映像授業に関して困ったことを聞いてみました。

映像授業の経験者のうち、4割以上は「とくに困ったことはない」と答えており、多くの家庭では大きな不満を感じていない様子が伺えます。
その一方で、28.6%が「学習のペース管理が難しい」と回答しており、自己管理の難しさが課題として浮かび上がりました。映像授業は自分のペースで学べる自由度がある反面、子ども自身が計画的に進められるかどうかが大きなポイントとなっているようです。
質問8では、実際にどのような点で困ったのか、具体的な声を紹介します。
・時間の延長が多すぎ。(40代・女性)
・機器の扱いを私に聞かれても分からないのが1番困りました。(40代・女性)
・理解の確認が甘くなる。(60代・男性)
・生中継の授業は臨場感が醍醐味ですが、ペースにのまれ、つまずきのまま授業が進行しがちです。(70代・男性)
寄せられた意見からは、講師とのやり取りが少ないことで起こる課題が目立ちます。理解度を十分に確認できないまま授業が進んでしまったり、疑問をその場で解消できなかったりと、一方的な授業形式のデメリットが浮き彫りになりました。
また、授業の延長に対する不満や、機器の操作を保護者がサポートしなければならないといった負担も指摘されており、学習環境の整え方に悩む家庭もあることが分かります。
質問9:今の塾や予備校に期待することや改善してほしいことがあれば教えてください。
最後に、今の塾に改善して欲しいことはあるか、自由回答で聞いてみました。
・個々の進捗確認と指導(40代・男性)
・講師の指導力を安定させて欲しい。(50代・男性)
・料金の是正をぜひともお願いいたします。(50代・男性)
・集団でも、一人ひとりのことを見たり聞いたりする余裕をもってもらいたい。(50代・女性)
改善を求めるポイントは「生徒一人ひとりへの対応」と「料金や時間管理」に大きく分けられます。
保護者は、集団授業であっても子どもの進捗を丁寧に見守り、必要に応じて個別にサポートしてほしいという思いが強いようです。また、講師の質に見合った適正な料金や、負担になりすぎない学習環境を望む声も目立ちました。
まとめ
子どもを塾に通わせた経験がある保護者は全体の6割以上にのぼり、最も多く利用されているのは「集団授業」でした。
一方で、それぞれの授業形式には課題も見えてきました。集団授業では授業の進度や講師の質、個別指導では料金の高さや講師のばらつき、映像授業では自己管理の難しさなどが挙げられています。
また、多くの保護者が共通して求めているのは「一人ひとりに合わせた指導」と「料金や時間のバランス改善」でした。家庭ごとに学習のニーズが多様化している今、子どもに合った塾を選ぶことがますます重要になっているといえます。